戸田奈津子　誤訳批判やクソ翻訳は言いすぎ？　苦労と年収などの話　　

多数のハリウッドの有名俳優との親交が深い戸田奈津子さん。

トム・クルーズとの親密ぶりは有名なところ。

しかしそんな戸田奈津子さんですが本業の翻訳の方では

一部で多数の間違いが指摘されていて

なかには「クソ翻訳」などと

遠慮なしの罵声にも似た言葉で叩かれてしまっていますね。

例えば

ロード・オブ・ザ・リング – 日本で公開された際に戸田奈津子が字幕を担当したが、

誤訳が多いとしてファンから抗議が殺到、それがピーター・ジャクソン監督にまで

届き戸田が交代させられるという騒ぎが起きたり

「フルメタル・ジャケット」では上品に訳し過ぎて

訳文を英語に再翻訳したものをチェックした

キューブリック監督直々の指示で降板させられると言う

大問題にまで発展してしまいました。

そんな何かと問題のありそうな戸田奈津子さんですが

大勢のハリウッド俳優から愛されている事も事実なのです。

ハリウッドの俳優が映画のキャンペーンで来日する際には

戸田奈津子さんを指名する事が多く

特にトム・クルーズとの親交は有名です。

戸田奈津子さんは下積み時代がかなり長く大変苦労されたそうです。

中学生の時に英語の興味を持ち

映画好きで洋画の中の言葉を覚えることにときめいていました。

そしてその道のプロとして映画翻訳家を目指すのですがなかなか

食べていける程の収入は得られず

雑誌記事や単行本の翻訳などのアルバイトなどをしながら食いつなぐ日々。

しかしそんな努力がチャンスを呼び込むこととなります。

コッポラ監督の指名によって「地獄の黙示録」を担当することになったのです。

この超大作は当時社会的にも大きな話題となり、各社から仕事が舞い込むようになりました。

それは字幕翻訳を目指してから実に20年もの月日が経っていた頃の出来事。

このような苦労は人への心配り、優しさが醸成されたのは想像に難くないですね。

来日する数々のハリウッドスターから愛されるのは

そんな苦労を積み重ねて育まれてきた人柄にあるのでしょう。

執筆もこなす戸田奈津子さんですが

「スターと私の映会話！」「男と女のスリリング」「字幕の中の人生」など数々の著書もあります。

戸田奈津子さんのお陰で映画翻訳家と言う職業が陽の目を見たことは

戸田さんの一番の功績と言ってよいのでは無いかと思います。

映画翻訳家を目指す人は皆戸田さんが切り開いてきた道を歩んでいるはずです。

これから映画翻訳家を目指す人なら気になるのは

その年収ではないかと思うので参考までに、

映画一本あたり約４０万円程のギャラらしいのですが

戸田さんの場合は年間４０本ほど映画翻訳の仕事をするらしいです。

その他テレビ出演や通訳、執筆などの多数の仕事をこなしているので

まあ、うん千万円というところでしょうか。

ちょっと野暮な話でしたね。

●戸田奈津子

東京都出身　映画翻訳家

津田塾大学英文科卒

初の字幕翻訳作品は「野生の少年」

映画翻訳家協会元会長。第1回淀川長治賞受賞。

【送料無料】字幕の花園 [ 戸田奈津子 ]