中沢啓治、肺がんで死去。たばこが原因?自伝「おれは見た」等 写真
漫画家の中沢啓治さんが今月19日に肺がんのため亡くなっていたことがわかりました。
73歳でした。
中沢さんは「はだしのゲン」の作者として有名で、原爆被爆者として原爆を題材とした初の作品「黒い雨にうたれて」などでも知られています。
そんな中沢さんの死因は肺がんということですが、スモーカーだったことからたばこも一つの原因になったのではと言われています。
中沢さんは1939年3月14日に広島県広島市に生まれました。
そして1945年8月6日、当時小学1年生だったときに被爆。
中沢さんは友達の母に呼び止められ建物の影に隠れて熱線を浴びず奇跡的に助かりましたが、父・姉・弟を亡くしました。
漫画家になってからしばらくは自らの被爆のことは語りたがらず、当然そういった作品も描いていませんでした。
しかし1966年、母を亡くして火葬した際に放射能の影響で骨がなかったということに怒り、それが転機となりその後は漫画の世界で「原爆」という言葉と戦う決意をしました。
そういった経緯で描いたのが「黒い雨にうたれて」でした。
これが好評を得て、「黒い川の流れに」「黒い沈黙の果てに」「黒い鳩の群れに」をいう作品も描いています。
「はだしのゲン」は33歳のときに出版社の企画で描いた自伝的な漫画「おれは見た」を読んで感動した編集者に長期連載を求められて描き始めたものだといいます。
主人公・元の姉と妹の名前は、中沢さんの実の姉と妹の名前をそのまま使うなど正に自伝的な漫画なのです。
この「はだしのゲン」は単行本だけで650万部を超すベストセラーとなって、18か国語に翻訳されています。
現在では広島市の平和教育の教材として使われるなど、今でもこの作品の影響力が強いことがわかりますね。
2009年に視力低下が原因で漫画家を引退していますが、異質の漫画家として唯一無二の存在でした。
そんな中沢さんの死は残念でなりませんが、ゆっくりと休んでもらいたいですね。
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